健康NEWS 2023年 12月 B面 =あなたの健康維持に【あるくのススメ】=

名桜大学人間健康学部
スポーツ健康学科 助教
健康運動指導士 神谷義人

 

あなたの一日の平均歩数は何歩ですか?

早稲田大学の渡邉先生ほか(2023)の研究によれば、高齢者は寿命延長のために1日当たり約5,000~7,000歩あるけば死亡リスクが下がり、有益な健康効果が得られることを公表しました。また、5,000歩未満の方が歩数を1,000歩増やすことで死亡リスクが23%低下することも報告しました。普段、あまり歩かない方にとって、1,000歩(10分程度)増やすだけで健康に近づくことができることを示しています。
一方、働く世代の目標歩数は男女とも8,000歩となっています(健康日本21<第三次>)。最近では、スマートフォンアプリで簡単に歩数が確認できます。あなたの今日の歩数は何歩でしょうか?目標に達していない場合は、10分だけでも歩いてみましょう!
出典:早稲田大学HP,高齢者の寿命延長に必要な歩数は?

高齢者の寿命延長に必要な歩数は?


次期国民健康づくり運動プラン,健康日本 21(第三次)推進のための説明資料(案) https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001049796.pdf

 

 

運動不足の現状

さて、質問です。「あなたは、1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続していますか?」この条件を満たしている方は運動習慣者と定義されます。運動の種類は問いません。いかがでしょうか?
日本人の運動習慣者の割合を見てみましょう。20歳~64歳では男性24.6%、女性19.8%、65歳以上では男性52.5%、女性38.0%となっており、年代別にみると、若い方ほどの運動習慣者の割合は低く、特に女性が顕著に低い状況です。運動を妨げる要因としては、仕事、家事・育児等で「忙しい」が最も多い理由となっています。

 

出典:平成27年国民健康・栄養調査結果の概要

 

 

身体活動を増やす2つの方法

かつては、健康のために運動しましょうと言われてきました。しかし、近年では運動だけでなく、生活活を含む身体活動を増やすことで健康の維持・増進に役に立つことが明らかにされています。

 

運動指導者の立場からすると、ぜひ、自分に合った運動を見つけて、定期的な運動を楽しんでほしいところです。しかし、「忙しい」働く世代にとって、運動を継続することは簡単ではありません。そんな場合は、生活活動を増やすことも有効です。WHOのガイドラインでは成人、高齢者ともに、少なくとも中強度の身体活動を週150~300分、または高強度の身体活動を週75~150分のいずれかを充たすことを推奨しています。両方の組み合わせでも構いません。これは週当たりの時間ですので、まとめて行っても良いし、細切れでもOKです。さらに健康度を高めたい場合は、それ以上の活動を行うことをお勧めします。
出典:WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)

 

あるくのススメ

多くの人にとっておススメなのは、ずばり!歩くことです。運動として行えばウォーキング・散歩ですし、移動の歩行も立派な生活活動です。特別な道具や技術も必要ないので、誰でもすぐに実践可能です。私は「歩かないウチナーンチュをいかに歩かせるか!?」をテーマに研究を行っています。大きな課題ですが、少しずつ、歩くことの効用を広めていきたいと思います。

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